ネタニヤフ首相が掲げるガザでの「完全勝利」という非現実的な目標は、決着のない紛争でユダヤ国家を破壊するというイランの戦略に資するものだ。ネタニヤフ政権は不必要に戦争を長引かせ、ガザでのパレスチナ自治政府の役割を認めないことで、イスラエルを孤立させている。この危険な均衡の中で、理性を失って引き金を引きたがる狂信者は、ネタニヤフと、ガザとレバノンで黙示録的な戦争を遂行する神政主義のファシストだけだ。
イスラエル北部がこれまでで最大のヒズボラのロケット弾砲撃を受けるなか、イスラエルの入植地担当相で宗教的シオニスト党のオリット・ストロークは7月上旬、ヨルダン川西岸の入植には「最高のタイミングだ」と発言した。いわく、神がイスラエルの敵を滅ぼして土地を与えるのだという。こうした夢想家たちには、ネタニヤフという熱心な協力者がついている。彼らは手を結び、イランが単独でなし得る以上の勢いで、ユダヤ人国家を消滅させようとしている。
シュロモ・ベンアミSHLOMO BEN-AMI
イスラエル元外相。世界各地の紛争解決を目指す「トレド国際平和センター」副所長。著書に『戦争の痕、平和の傷──イスラエルとアラブの悲劇』がある。
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