岸田は「好循環」を起こすことを目指してきたと語る。
例えばNISA(少額投資非課税制度)のような減税策で投資を推進したり、価格と賃金両方の上昇を促したり、環境のためのGX(グリーントランスフォーメーション)や電子化を進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)に巨額の資金を投じるといった施策だ。
デジタル化と子育て世帯への支援拡大は人口問題の解消に役立つ可能性があると岸田は言い、政権が目指す「新しい資本主義」の施策は既にいくつか成功を収めていると胸を張る。
例えば日経平均株価は今年2月、34年ぶりに史上最高値を更新した。
ただし日本の将来を考えると、岸田はもっと論議を呼びそうな施策を検討しなくてはならない。移民の問題だ。
経済成長を促すための労働力が必要であることから、国会では「海外から日本へ働きに来たいと思えるような新制度を作る」ための法案を審議中だと岸田は語った。
島国の日本は昔から国境を開放しようとしなかった。欧州列強の植民地にならなかった珍しい国でもある。今日では増加する外国人労働者も含めて世界中の人々を大歓迎しているが、それでも日本は推定で人口の約98%が民族的に日本人という特異な民族構成の国だ。
「今も日本社会の一部には、海外からの労働者移住を無期限に続けるという発想に抵抗する向きがある」と、岸田は語る。
そのため、いま準備している海外からの労働力受け入れ計画は、まだ「完全な移民受け入れ構想ではない」と付け加えた。
日本のために自らの政権が付けた道筋を、岸田は自信たっぷりに語った。だが日本が直面する社会、経済、外交、軍事の諸問題は深刻であり、軽視してはならないとも指摘した。
「外交も安全保障も、極めて不確実な状況にある。そのため、首脳レベルの外交を強化することになる」と、岸田は語った。
「この外交を支える防衛力が必要だ。たとえ不確実な時期であっても、安定を実現するための役割を日本が果たせるように」
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