MSKCCの大腸癌の臨床試験のほかにもここ数カ月でいくつか臨床試験が行われ、一部の早期癌において、新しい免疫療法薬が予想よりはるかに効果があることが実証されている。

また、癌に関連する微小なDNA断片を、従来の手法で確認できる数カ月前や数年前の段階で血中から検出する感度の高い診断テストも開発されている。

FDAは、血液や唾液、尿などの体液から病気の予兆を示す異常物質を検出するリキッド・バイオプシーを承認している。死んだ腫瘍細胞や壊れた腫瘍細胞からも小さなDNA断片を検出でき、肺癌、乳癌、前立腺癌、大腸癌、卵巣癌などの固形腫瘍癌に関して、一部の癌治療の成功や病気の進行をモニターするために利用されている。

ただし循環系の腫瘍のDNA量は腫瘍が縮小するにつれて減少するため、癌のスクリーニングや診断に使うには、感度、信頼性、特異度、いずれも十分ではない。

それでも進行中のいくつかの早期臨床試験では、診断ツールとして有望であることが分かっている。さらに、AIが診断データの解釈に貢献しているケースもある。

免疫療法のアプローチが大半の癌患者にとって有効な選択肢になるのはいつ頃か、そもそも実現するかどうかは、まだ分からない。ディアスは懐疑的で、一部の癌は免疫療法に反応しない可能性が高いと考える。

一方で、ディアスのチームは最近、遺伝子検査を使って、リンチ症候群の患者が癌を発症する直前の状態であることを特定した。そして、治療的な免疫療法の手順を適用したところ、癌の発症自体を予防できることを確認した。

ディアスは自分の臨床試験で免疫療法の効果があった患者の幸運を祝う。「あの気持ちは何回でも味わいたい。本当に素晴らしい」

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