地球課題を"自分ごと"として捉えるには、幼少期の教育が大切

「もったいない」は日本古来の考え方であるが、世界的にも有名な考え方である。2004年に環境分野初のノーベル平和賞を受賞したケニアの環境活動家ワンガリ・マータイ氏が「MOTTAINAI」という言葉を世界に広めたことで、その概念は今では世界全体に広がったからだ。

ベネッセは、こうした「もったいない」という概念を子どもたちにより広く伝えるため、「もったいない ちゃれんじ」の一環として、2023年5月に「まみむめもったいない」キャンペーンを実施した。

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「まみむめもったいない!」の歌は、YouTubeのしまじろうチャンネルで無料公開されている

このキャンペーンでは、楽しく歌って踊りながら「もったいない」という言葉に親しめる「まみむめもったいない」の動画を無料で公開。さらに、全国約2万の保育園や幼稚園、こども園にもCDや紙芝居・ポスターを配布したり、各家庭には冊子を無償提供するなど、多くの園や家庭を巻き込み、幼児とその家庭に向けて環境への意識づけとなる啓蒙活動を全国で展開した。

「未就学の子どもに対して『もったいない』という概念を伝えることは簡単ではなく、どう伝えるかが課題でした。大人になれば自然と知識を得て、理解することができますが、それはどこか『他人事な関わり方』になってしまう場合もあります。もし子どもの頃から身近な問題をもっと自分事として捉えることができれば、大人になっても自発的に行動ができる人が社会に増えていき、その先に、結果としての"地球にとってよいこと"があるのではないかと考えています」と、加地氏は語る。

本取り組みは、環境省主催の「環境教育・ESD実績動画100選」の1つに選出されるなど、2023年から始まったばかりの取り組みながら、SDGsを学ぶための優良事例として広く認知されている。

ベネッセの取り組みを見ると、「もったいない」、ひいては「ものを大切にする」という考え方を育てるには、未就学期からの教育が重要であることがわかる。SDGsの取り組みの中では幼児教育が注目されることはあまりないが、持続的な社会を創り出すためには、未就学児童に向けた教育にも目を向けるべきではないだろうか。

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