例えば、トイレの在り方自体を変えるのはどうか。現行の多くのトイレは手洗い場や化粧鏡などがある大部屋にまず入り、その奥に個室がある2段階構造だ。

もしも、手洗い場や鏡を備えた完全個室型のトイレを男女別に備え、廊下などから直接入る構造だったら、利用者同士が顔を合わせることもなく、原告の職員に不便をかける必要もなかったのではないか。こうした状態をつくることで、少なくとも一部の「違和感」は解消できないだろうか。

LGBTへの理解促進は大事だ。だが、そもそも人の感情は他者への嫌悪感も含め、内心の自由の下、憲法で守られる。法が制御し得るのは「内心」ではなく、それに基づく「行為」にすぎない。社会問題の解決には内心と行為のギャップ解消が必要だが、その方法は葛藤を生みかねない「お上」による内心の改革だけではないはずだ。

sdgsaward_lp_bnr500.bmp

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 ベトナム化するイラン戦争
2026年9月1日号(8月25日発売)は「ベトナム化するイラン戦争」特集。

曖昧すぎる目標、敵国の軽視、自国軍事力への過信……長期化・泥沼化したベトナム戦争との共通点

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます