もっとも、ロシアの軍事ブロガーの間で「強い反発の広がりは見られない」と、ISWは指摘している。つまりギルキンの逮捕が「一部の欧米の報道とは異なり、ロシアの国粋主義者たちやロシア軍関係者の大多数を大きく揺り動かす可能性は低い」ということだ。

ギルキンは民間軍事会社ワグネルの創設者であるエフゲニー・プリゴジンとは公の場で非難合戦を繰り広げていた。だがロシア軍やロシア国防省によるウクライナ侵攻の進め方についてはプリゴジンも攻撃を続けている。

プリゴジンは6月、ワグネルを率いてモスクワに向けて進軍。だが「プリゴジンの乱」は結局、プリゴジンが多くの戦闘員とともにベラルーシに移動することで合意が成立、一日もせずに終わった。

ギルキンはワグネルの仲間だったわけではないが、プリゴジンの乱を受けて「批判の輪を押し広げる用意くらいはあったのだろう」と英国防省は指摘した。「実名でのプーチン批判に対するタブーは大きく弱まっている」

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