<10年以降、400カ所近いプールが閉鎖された>

2012年の夏季五輪のために建てられたロンドン・アクアティクス・センターは、きらびやかな水泳施設だ。イギリスのスポーツ振興をさらに図り、国民の健康向上を目指す計画の象徴でもある。50メートルと25メートルのプールの利用者は、週に約1万4000人もいる。

【動画】ロンドン・アクアティクス・センターで水遊びを楽しむ女性

だがその陰には、プールをめぐる悲しい現実がある。イギリスでは10年以降、400カ所近いプールが閉鎖された。その多くは、最も貧しい地域のもの。肥満や不健康な住民の割合が一番高いエリアだ。

例えば北東部の町ハートルプールでは、12カ所あったプールのうち6カ所が閉鎖。うち3カ所は公立学校のものだ。地元自治体のプールも相次いで閉鎖されている。これらは退職者が集って運動をする地域社会の「ハブ」だった。

プールの受難は急に始まったものではない。財政難のせいで自治体は予算削減を迫られ、赤字を垂れ流すプールが標的になってきた。維持費を削ったために施設の老朽化が進行。そのため利用者が減り、プールの収入がさらに減るという悪循環に陥った。

とどめを刺したのが最近のガス価格高騰だ。政府は3月、財政難のプールに助成金を出すとようやく発表したが、失われた施設は戻ってこない。

人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に安心な水にアクセスできる社会の実現へ
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