その前後から西側との軍事協力も進め、09年にはデンマーク、ノルウェー、スウェーデン、アイスランドとの軍事協力機構「北欧防衛協力」に参加(うち3カ国がNATO加盟国)。昨年にはスウェーデンと共にバルト海でのNATO軍事演習に加わった。

NATO加盟には「心理的な」意味合いもあると、ヘルシンキ大学欧州研究センターの研究員ヨハンナ・ブオレルマは言う。NATOに参加することは、自らの国家観と、欧州における自国の役割を、西側の価値観に適合させていく必要があることを意味する。

「これは安全保障の問題ではあるが、心理的な問題でもあり自らの国家観を再考するものでもある。国としてのフィンランドの意味は何か、国家の物語をどう再構築していくか、などを考え直さなければ」と、ブオレルマは言う。

「いかなる外部の軍事同盟にも属さないという信念をフィンランドが守り続けてきたからこその問題だ。アイデンティティー模索のプロセスは、まだ時間を要するだろう」

From Foreign Policy Magazine

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 歴史で読み解く アメリカ建国250年
2026年7月7日号(6月30日発売)は「歴史で読み解く アメリカ建国250年」特集。

超大国の現在地と「トランプ後」の世界

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます