要するに、『3人のパパ』は不快な番組だったかもしれないが、少なくとも3人は「父親であること」について真摯に考え、少しずつでも前に進んでいるのではないか。

彼らが人々を啓発するために選んだ方法には賛同しかねるが、その姿はスウェーデン全土で「父親であること」についての新たな議論を巻き起こし、世論を分断した総選挙で国が大きな困難に直面するなか、そこで生じた文化的な空白を埋めようとしている。

父親業に関する実践的アドバイスや「お助け本」は多々あるが、「父」として生きることの複雑な思いや感情の起伏を率直に語る男はめったにいない。だからこそ、このドキュメンタリーは貴重だ。冒頭に引いた最終回の場面で、「カカオの儀式」を仕切るオスカーソンは真顔で言う。「カカオをかき混ぜるときに自分がハッピーで愛を感じていれば、愛のあるカカオができる。逆に怒りを抱え憎悪を燃やしていれば、いやな味になる」

カカオの混ぜ方はよく知らない。でも、これは素敵なアドバイスだと私は思う。

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