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(上)カンボジアでALISの操作方法を説明する佐藤教授。手に持つのがALIS。大きさは従来の金属探知機と大差なく、重さも約3kgと同程度(下)探知した地中の物体の形状が端末の画面上で確認できる

戦時下のウクライナから研修に参加したSESUの職員は、一様に緊張した面持ちで研修をスタートさせました。また、研修中も、これまで使ってきた金属探知機の操作に習熟している人ほど、ALISの操作に戸惑う様子が見られました。「ALISの操作にはコツがいる」と佐藤教授が話すように、SESUのメンバーらは操作を何度も繰り返して、コツを掴んでいきます。「うまく操作できて画面上に地雷の丸い形がきちんと表示されると、うれしそうな反応を見せてくれました」と話す佐藤教授。そして実機研修の最終日には、SESUのメンバーにもリラックスした笑顔が見られるように。プロジェクトの参加者全員にワンチームとしての絆が生まれているようでした。

「研修は非常に素晴らしいものでした。今回習得した技術を、ウクライナで地雷処理を進めるすべての仲間に伝えたい。ALISの操作を説明するのは非常に難しい作業ですが、実際の現場でトレーニングすることで理解が進むはずです」。SESUのディアディチェンコさんはそう話します。

「ウクライナでは特に都市部に多くの地雷などの爆発物が放置され、建物のがれきに即席爆弾が仕掛けられている可能性もあります。従来の金属探知機ではコンクリートなどに含まれる鉄筋に反応し、十分な機能を果たしませんが、ALISが、そのような場面での迅速な地雷除去に貢献することを期待しています」(佐藤教授)

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(上)インタビューに応えるウクライナ非常事態庁(SESU)の首席専門官、アルセニー・ディアディチェンコさん(下)検知した地中の物体の画像が、佐藤教授が持つ端末画面に表示されると、SESUの職員たちがそれを覗き込む

カンボジアに受け継がれている日本の地雷対策技術

今回の研修では、カンボジア地雷対策センター(CMAC)のALIS部隊も大きな役割を果たしています。JICAはカンボジアに対し、内戦終了後から20年以上にわたり、機材の供与や技術支援、またCMACの組織能力強化などを通じて地雷対策に協力してきました。その中で、地雷対策に継続的に力を発揮できる人材の育成にも力を入れてきました。ALIS部隊はALISの技術に習熟した人材で構成されており、今回の研修で佐藤教授とともに講師を務めました。

「私がこれまで直接指導したのは10人ほどですが、それから2、3代目くらいまでの人材が育成されており、トレーニングの体系も構築されている。CMACの中で技術がきちんと育っていると感じます」と佐藤教授。

ポーランドでフォローアップ、研修は継続