カルトの罠は、「統一教会」の排除を欲望する側にもある。統一教会のようなカルトを弱体化させる効果的な方法は、信者を差別・排除せず、社会には多様な受け入れ先があることを示し続けることだ。排除は結束を生み、結束は極化を招く。

社会と折り合いをつけて穏やかな信仰を選ぶ2世信者が増えれば、教団の姿は変わらざるを得ない。今回の事件を受けて、自らの信仰と向き合う2世は少なくない。

いずれにせよ、社会が受け入れるために必要な蓄積は既に出そろっている。例えば、瓜生ら脱カルト支援の現場が培ってきたものの中に。最後に彼の言葉を記しておきたい。

「《自分たちは絶対善の正しい存在、相手は絶対悪》という思考こそがカルト的な思考なのです。社会がそれにとらわれてはいけない」

 20220913issue_cover150.jpg
2022年9月13日号(9月6日発売)は「統一教会 虚像と実像」特集。弾丸が撃ち抜いた政治と宗教のなれ合い。たたかれ続ける「異形の教団」の真の姿、統一教会と日本政治の深層を探る
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます