元戎啓行は深圳で数年以内に、セーフティドライバーが乗るロボタクシーを1000台走行させたい意向だ。そのころには、もっと詳細な規制が整っていると期待している。

しかし深圳は電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)のお膝元であり、国が保有する同社のEVタクシー2万2000台が低料金で走行している。このため自動運転車の製造コストが下がらなければロボタクシーは商業的に見合わないと元戎啓行のチョウCEOは語った。

元戎啓行などのロボタクシー企業は、コスト低下とデータ収集を目的に、大量生産に打って出ている。元戎啓行は3000ドル前後で他の自動車メーカーに自動運転車ソリューションの販売も行っている。

百度は7月21日、ハンドルが取り外せる新型自動運転車を発表した。価格は1台25万元と前世代型の約半分に抑え、来年からロボタクシーに活用する計画だ。

百度のロビン・リーCEOは「今のタクシー料金の半額でロボタクシーに乗れる未来へと向かっている」と述べた。

井戸から飛び出すカエル

深圳はサプライチェーン(供給網)の充実と価格の低さという点で、シリコン・バレーに比べて製造上の大きな利点がある。

深圳の自動運転車ソリューション企業、恵爾智能(Whale Dynamic)のデービッド・チャン創業者兼CEOは「深圳は資本コストがカリフォルニアの3分の1で済む。バッテリーのサプライヤーがあり、センサーもあり、インテグレーションがほぼ整っているからだ」とした上で、「しかし収入はカリフォルニアの12分の1なので、魅力的な事業ではない」と指摘した。

元戎啓行、文遠知行、小馬智行の各社はシリコン・バレーにも事務所を構えて研究開発チームを置き、同地と深圳の両方で試験を行っている。

「井の中に縮こまって他のカエルと闘うことは望まない。井戸から飛び出したい」とチャン氏は語った。

(David Kirton記者)

[ロイター]
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