オンライン預金は、より高リスクの商品を求める中国の一般投資家を、中国政府が推奨したい金融商品(地方政府の特別債)から遠ざけることにもなった。地方政府は特別債を発行することで、公共住宅やエネルギー・インフラ関連など大規模公共プロジェクトのための資金調達を行っている。だが、これら地方債への平均利回りは3.46%で、オンライン預金商品の利率より低い。

オンライン預金の金利は年4.8%で、中には特別条件により10%を上回るケースもあった。投資先としての地方債の魅力を高めるには、オンライン預金を禁止し、資産運用商品に関する暗黙の元本保証を減らすしかない。

中国政府は2015年に初めて、地方政府が独自に地方債を発行することを認めた。地方政府の資金調達の透明性を高め、帳簿外の取引(「隠れ債務』)を通じて借り入れを行うのをやめさせるためだ。この方針転換により、地方政府が直接、資金調達を行うことが可能になった。

地方政府の「隠れ債務」が膨らめば、それが次なる債務危機を引き起こす可能性が高ある。2020年末までには、隠れ債務はは推定45兆元(7兆ドル、中国のGDPの44%)にのぼっていた。2010年末の9.6兆元の4倍以上だ。

これらの負債については中国政府の命令に従い、2028年までに返済が必要だ。地方政府の特別債発行は、資本市場を通じてこれらの債務の借り換えを行う手段なのだ。中国財務省は一般投資家によるこれらの債券購入を奨励ているが、これまでに述べてきた理由により一般投資家はほとんど関心を示していない。

From Foreign Policy Magazine

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