<野生でも動物園でもほとんどのゾウが感染し、とくに若いゾウには致命的になる場合も多い「ゾウ内皮向性ヘルペスウイルス(EEHV)」とは>

スイスのチューリヒ動物園で、ゾウのきょうだいが致命的なヘルペスウイルスの感染症により、相次いで死亡した。

オミシャというお姉さんゾウ(8歳)は7月10日に亡くなった。つい数日前には、死んだ弟ウメシュ(2歳)の囲いに入って別れを告げたばかりだった。

ゾウは死んだ仲間を弔うことで知られているため、チューリッヒ動物園は、死んだウメシュの家族が別れを言うことができるように、しばらくの間、遺体と共に過ごす時間をもうけた。

オミシャだけでなく、姉のチャンドラ(20歳)と母親のインディ(36歳)も、ウメッシュの遺体に近づいて別れを告げた。

死因は2頭ともゾウ内皮向性ヘルペスウイルス(EEHV)の感染。大型哺乳類によくある疾患だが、特に若いゾウでは命にかかわる危険がある。

若いゾウほど危険

「残念ながら、オミシャは抗ウイルス剤と輸血による治療に反応しなかった」

「内出血や臓器不全を引き起こすこの恐ろしい病気は、動物園のゾウでも、野生のゾウでもよく見られる。今回の調査でEEHVに対する理解を深め、より効果的な治療方法の解明につなげたい。ワクチン開発もその一つだ」

2歳のウメシュの遺体も調査中だ。

「ウメシュの死を深く残念に思う」と、チューリヒ動物園は付け加えた。

セブリン・ドレッセン園長によれば、「EEHVはゾウの間で非常によく見られるウイルスで、動物園と野生とを問わずほぼすべての個体がある時点で接触し、感染してしまう。特に若いゾウは、突然発症する危険が常にある」

若いゾウを守るために、研究が急務だ。

*この記事は独ゼンガーニュースの提供です

【動画】元気いっぱいだったころの子ゾウと、死んだ子に別れを告げる家族の様子>を見る

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