<ロシアと国境を接する小国のラトビアが、ロシアのプロパガンダ放送を非合法化>

ロシアがウクライナに対する激しい攻撃を続けるなか、ウクライナと同じくロシアと国境を接するバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)のラトビアが、ロシアのテレビ局の放送禁止を決定した。

ラトビアの報道機関「デルフィ」によれば、禁止措置は6月9日から導入し、ロシアが武力侵攻をやめてウクライナに領土を返還するまで続けるという。6月9日以降は80を超えるチャンネルの放送が禁止されることになる。

ラトビア電子メディア評議会(NEPLP)のイバル・アボリンス会長によれば、この措置は「他国の独立や主権を脅かす国の放送を禁じる新たな法律」に基づくもの。

ロシア当局は、テレビを通じてウラジーミル・プーチン大統領のウクライナ侵攻を正当化するプロパガンダを拡散してきた。3月上旬には報道統制を一段と強化し、政府の見解に沿わない独立系の報道を弾圧・禁止した。

デルフィの報道によれば、ラトビアはロシアで3月に閉鎖を余儀なくされた独立系テレビ局「ドーシチ(レインTV)」については、今後もラトビア国内での放送を許可するという。

「Z」のシンボルも禁止

旧ソ連の構成国だったラトビアは、武力侵攻が始まった当初からウクライナを支持してきた。ラトビアはMATOにもEUにも加盟しており、ウクライナ侵攻が始まった数日後にはウクライナ軍に資金援助も行っている。

ラトビアのエギルス・レビツ大統領は3月、米CNNとのインタビューの中で、ヨーロッパの国々にはウクライナを支援する責任があると述べた。

「ウクライナに対する侵略行為は、西側に対する侵略行為と同じだ」とレビツは言い、西側の価値観を守るために戦っているウクライナを称賛した。

ラトビアはウクライナに、スティンガー地対空ミサイルシステムなど、武器の供与も行っている。またラトビア議会は3月、ロシアによるウクライナ侵攻への支持を表すシンボルとして使われている「Z」の文字を、公の場所で使用することを禁じる法案を可決した。

ロシアによるウクライナ侵攻から、既に100日以上が経過している。ロシア当局はウクライナの迅速な占領を目指していたものの、ウクライナ軍の激しい抵抗に遭い、思うような戦果が得られていない。ロシアは過去数週間、ウクライナ東部に攻撃を集中させており、セベロドネツクで両軍の激しい攻防が繰り広げられている。

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