パキスタン国内ではバロチスタン解放軍(BLA)」などの分離独立勢力が中国人を狙ったテロを繰り返している。
中国政府はこれまで不干渉の原則を掲げ、他国の紛争への軍事介入を避けてきた。
しかし、海外に居住する中国人や数兆円規模のインフラ資産を保護するためには、もはや現地政府への治安維持要請だけでは限界がある。タリバン政権との協力関係も、ISKやアルカイダなどから見れば背教者との共謀と映り、さらなる攻撃の口実を与えるという悪循環に陥っている。
顕著になる「中国版・テロとの戦い」
今後、中国は海外の自国民や資産を守るために、これまで以上に直接的かつ強硬な治安維持への関与を迫られる可能性がある。これは、民間軍事会社(PMC)のさらなる活用、あるいは上海協力機構(SCO)を通じた合同軍事演習の枠を超えた、実戦的なテロ掃討作戦への協力という形を取るだろう。
しかし、武力や監視による抑え込みは、過激派組織による報復の連鎖を招くリスクを常に孕んでいる。広大なユーラシア大陸を繋ぎ、経済的な繁栄をもたらすはずの一帯一路の成否は、もはや純粋な経済ロジックではなく、この「新たなテロとの戦い」をいかにインテリジェンスと軍事、外交の三位一体でマネジメントできるかにかかっている。