だがツイッターの最近のモデレーション・ポリシーの変更は、実は利用者の活発でオープンなやりとりをサポートすると専門家は指摘。マスクの参加で逆行しなければいいがと考えている。

「ラベル付けをやめるのは得策ではないと思う。言論の自由とは自分の発言に責任を持たないことではないからだ」と、ラベルの有効性を研究しているプリンストン大学のオレスティス・パパキリアコプロスは言う。

「ラベル付けは利用者に異なる視点を与える効果を持つ場合もある」

ヘイトスピーチをこれ以上、許容することはツイッターに不利益をもたらすと、サンダーソンは指摘する。

「疎外された声や脆弱な声を守る取り組みについて、(ツイッターが)公に表明したことを撤回するようなら破滅的だ。ヘイトスピーチの削除はかなり進んでおり、より多くの人が公の場で会話をしやすくなることがはっきりしている」

とはいえ、マスクが保有する株式は9.2%にすぎず、ツイッターが規制にも市場にも縛られていることを考えれば、モデレーションのポリシーが即座にかつ大幅に変わる可能性は低いだろう。

アルゴリズムを選ぶ自由

「国によって言論の自由に対する考え方は異なり、プラットフォームはそれぞれの国に合わせて修正した共通のモデレーション戦術が必要だ」と、パパキリアコプロスは言う。

さらに、言論規制は国によって大きく異なるため、世界的に利用されているプラットフォームでコンテンツ管理を一新することは難しい。

「問題のあるコンテンツがどんどん広まって、プラットフォームが何もしなければ、説明責任を問われることになる」

興味深いことに、マスクの提案は物議を醸すようなものばかりではない。

数少ない具体的な改革案の1つは、アルゴリズムのオープンソース化だ。

これは、エンゲージメント(ツイートを見た利用者の反応や行動)に基づくアルゴリズムでツイートが自分のフィードに表示されるのを受け入れるのではなく、自分のフィードをどのように構成するかを選べるようにしようというものだ。

ツイッター向けにハラスメント対策ツールを提供しているブロック・パーティー社のトレイシー・チョウCEOは、利用者がアルゴリズムを選択できるようにすることで、モデレーションをめぐる問題の多くに対処できると指摘する。

ツイッターのジャック・ドーシー前CEOもこの考え方に賛同している。

「プラットフォームは絶大な力を持ち最善で平均的な体験を提供しようとしているが、利用者の非常に多様な要求に対応していない場合に何が起きるかは、私たちも見てきたとおりだ」と、チョウは言う。

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