今回の再編に関しては、プライム市場のコンセプトである「グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場」をより明確にするため、流通株時価総額などの上場要件をもっと厳格にするべきではないかといった意見もありました。

結果として、東証1部の8割以上にあたる1,800社あまりがそのままプライム市場に残るのでは、本格的な再編にならないのではないか、との厳しい意見もあります。

■大きく変わるのはTOPIX

プライム市場に上場するか、それともスタンダード市場に上場するか──。将来的に大きな違いが出てくるのは、TOPIX(東証株価指数)の投資対象か否かという観点です。TOPIXとは、東証1部に上場する全銘柄を対象として算出される株式指数です。

ただし、4月の市場再編と同時にTOPIXの算出対象が「東証1部」から「プライム市場」に変わるわけではありません。現在TOPIXに採用されている企業は、これまでの実績や指数としての継続性などを考慮して、市場再編後もひとまずTOPIXに組み入れられます。

ただし、流通株式の時価総額が100億円未満の企業については、2025年1月までに段階的にウエイトの見直しが行われます。要するに、少しずつ構成比率が下がっていき、最終的にはTOPIXから除外されます。

■プライム上場を目指して

ここでポイントになるのが「上場維持基準に向けた計画書」です。この計画書は、新市場の上場基準を満たしていなくとも、緩和された基準を満たしていれば当面は上場が認められる、という救済措置を受けるための免罪符のようなものです。

現時点では、東証1部に上場している企業のうちおよそ600社はプライム市場の基準を満たしていませんが、そのうちの300社は、この計画書を提出してプライム市場に上場する見込みです。

計画書を提出することで、投資家に対して、どのような道筋で流通時価総額や株主数、業績を改善するのかを明確に示すことができるというメリットもあります。プライム上場に意欲的な企業は、すでに大株主による株式の売出や自己株式の処分、持ち合い株式の解消、増配、成長戦略の提示などのアクションを行っています。

ただし、この計画書には現時点で期限が設定されていないことから、実効性について疑問の声もあります。実際に改善が進んでいない企業に対しては、むしろ市場はネガティブに反応しそうです。

自分の投資先企業が東証再編に際してどの市場に上場する予定になっているか、プライムの上場基準を満たしているかなどについては、事前にしっかりと確認しておきたいところです(企業ホームページの「投資家情報」「IR情報」などからニュースリリースを探します)。

(参考記事)株式市場でも話題の「メタバース」 期待される理由と注目の関連銘柄は?

プライム市場に求められる情報開示などのコストという理由
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