<トランプの別荘マールアラーゴから、トランプがホワイトハウスから持ち出した公文書が発見された。いったいどんな秘密が隠されているのか、連邦議事堂襲撃事件の調査委員会も大きな関心をもっている>

米国立公文書記録管理局は1月、ドナルド・トランプ前大統領の別荘マールアラーゴから、北朝鮮の最高指導者・金正恩の書簡を含む公文書を回収した。ワシントン・ポスト紙が、事情を知る複数の関係者の発言とともに報じた。

金正恩の書簡は、トランプがホワイトハウスから不正に持ち出したされる複数の箱に入っていた文書や物品の一部だ。大統領在任中の文書は本来、大統領記録法に基づき、公文書管理局に引き渡されることになっている。

トランプによる公文書の持ち出しは、1978年に施行された大統領記録法に違反している可能性が高い。この法律では、手紙、メモ、電子メールなど、大統領の公務に関連するあらゆる文書の保存が義務づけられていると、ワシントン・ポスト紙は報じている。

また、公文書管理局のウェブサイトによれば、大統領記録法では、大統領記録は「大統領の退任時、公文書管理局の法的管理下に自動的に置かれ」、「大統領記録を保管・管理する責任」は新大統領のものになると規定されている。

トランプが金正恩からの「ラブレター」と呼んでいた金の書簡に加えて、バラク・オバマ元大統領が退任時にトランプに書き残した手紙も発見されたという。

破られた文書も

トランプ政権で補佐官を務めた人たちによれば、回収された箱には、世界のリーダーたちなどからの贈り物や記念品、手紙、そのほかの書簡が入っていたという。補佐官たちは口をそろえて、箱の持ち出しに悪意はなかったと述べている、とワシントン・ポスト紙は伝える。

トランプによる文書の取り扱い方は、2021年1月6日の連邦議会襲撃事件を調査する下院委員会に対して、公文書管理局が文書を提出した際にも注目された。ワシントン・ポスト紙は、複数の匿名関係者からの情報として、一部の文書は破られ、テープで修復されていたと伝えている。

公文書管理局は2月はじめ、ワシントン・ポスト紙に宛てた声明の中で、連邦議会襲撃事件に関連してトランプ政権から受け取っていた資料に、「トランプ前大統領によって破られた紙の資料が含まれていた」ことを認めた。これらの資料のなかには、破れたまま修復されていない文書も含まれていたという。

本誌が報じたところでは、トランプは2021年、大統領時代の文書は大統領特権の法原理で保護されると主張し、連邦議会襲撃事件の調査委員会による文書の閲覧を阻止するための訴訟を起こしている。

(翻訳:ガリレオ)

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