「オミクロンへの対策も、一部の地区では導入され、他の管轄区では導入されないといった具合に、その場しのぎの対応になっている。これは今回のパンデミック全体を通じたアメリカの対応の特徴といえることだ」と、サロモンは言う。

幸い、従来の一度か二度の接種と比べて、3度目のブースター接種には、オミクロン株に対する防御効果がはるかに高いことを証明する証拠が増えている。

ファイザーは12月に、ワクチンを3回接種すると、2回接種の場合と比べてオミクロン株に対する中和抗体の量が25倍になることを発表した。

バイデン政権はまた、1月からアメリカの住民に自宅で使える簡易検査キット5億個を国民に無料で配布すると発表した。

検査体制の改善は進歩

ハーバード大学公衆衛生大学院のヨナタン・グラッド準教授(免疫学と感染症)は本誌に対し、迅速な検査へのアクセスの不足は「もう一つの大きな問題」だったと語った。迅速な検査ができれば、集会などに関連するリスクの軽減に役立つからだ。

だがラトガース公衆衛生大学院生物統計疫学学科のジェイソン・ロイ教授(生物統計学)は、この分野における進歩を歓迎する。

「私を含めて世界中の多くの疫学者は、アメリカの検査状況についてたいへん心配していた。だからバイデン政権がそれを深刻に受け止め、この1月から資源を集中投下すると決めたことをうれしく思う」と、本誌に語った。

オミクロン株による感染の予防効果、症状の抑制効果など、ワクチンの効果についてはまだ多くの疑問が残っている。今後数週間のうちに、より多くのデータが明らかになるだろう。

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