<「アラブの優等生」だったがチュニジアだが、サイード大統領が事実上全権を掌握。それでも高い支持率を保っているが、冬には「楽観論も消える」と指摘する声も>

チュニジアのサイード大統領が議会を停止し、首相を解任してから2カ月。9月22日、サイードは憲法の一部を停止する大統領令を発表し、事実上全権を掌握した。

サイードは9月29日、新首相に政治経験のない63歳の地質学者ナジラ・ブーデンを指名。同国初の女性首相が誕生したが、傀儡の可能性がささやかれている。

その強権的な手法にもかかわらず、サイードは高い支持を保っている(世論調査が正確ならばだが)。

国民が大統領による議会停止に理解を示しているのは、2011年の民主化運動「アラブの春」後も議会制民主主義が機能してこなかったため。失業率や経済はむしろ悪化し、新型コロナ禍で医療体制は逼迫した。

ただし、「気候が良く感染も落ち着いている今は国民も穏やかだが、冬を迎え感染状況や経済が悪化し始めたら大統領への楽観論も消える」と、米コロンビア・グローバルセンター・チュニス校のユセフ・シェリフは警告している。

[動画]サイード大統領の議会停止を支持する人々
【関連記事】