日本政府は今後も休業を余儀なくされた事業主向けの融資支援や、子育て家庭を含めた低所得層への支援を続けていく。さらに、今月12日から高齢者対象のワクチン接種を開始した。ワクチンは、一連の対策の有効性を左右すると考えている。

こうした状況の下、日本は多国間の枠組みを極めて重視している。例えば、包括的かつ先進的TPP協定(CPTPP、いわゆるTPP11)や、20カ国以上が参加する日欧EPA(経済連携協定)だ。

日本は世界のさまざまな地域で、これらの多国間経済パートナーシップを積極的に進めている。同時に、アメリカ、イギリスとの2国間関係を重視している。

日本が新型コロナ後の世界で主導的役割を担い続けるべく、「グリーン」と「デジタル」を両輪とする改革を進めて産業を変革し、投資を促進し、雇用増加を実現する。

これに関連して、2050年までにカーボン・ニュートラルを実現するという非常に野心的な目標を掲げた。誰に助言を求めることなく、わが国の首相として私自身が下した決断だ。

こうした目標の下、基金創設のために今年度の補正予算で2兆円を計上した。

投資促進やイノベーションの加速に向けて、税制改革や規制改革なども実施していく。一部の予測によれば、これによって2050年までに年額190兆円の経済効果が見込まれる。同時に、1500万人の雇用が創出される。

日本の強みは民間部門にあると考えている。国内民間企業が保有する現金・預金残高は推計でおよそ242兆円だ。内部留保も含めれば、総額410兆円の資金があるとの推計もある。

さらに家計の金融資産残高は推計1950兆円に上り、復活の勢いと経済成長に向けた戦略につなげることができるのではないか。

加えて、環境関連分野の投資資金は3000兆円規模と言われており、これを日本に呼び込みたい。

「パンデミックでも五輪開催で世界に勇気を」

――東京オリンピックの開幕予定日まで100日を切った。準備状況はどうか。予定どおりに開催されるという自信は?

先月、IOC(国際オリンピック委員会)の(トーマス・)バッハ会長、IPC(国際パラリンピック委員会)、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、東京都、私が代表である日本政府の5者会談が行われ、必要な(新型コロナ)対策を完全な形で実施するために、海外からの一般観客の受け入れを断念すると決定された。

この決定に基づいて、感染予防措置などの準備が進んでいる。だがパンデミックの中であっても、安全で安心できる大会を実現し、世界各地の人々に日本から希望と勇気を届けたいと心から願っている。

――オリンピック開催がいつまでに確実になる、という期限はあるのか。

開催は既に決まっている。この決断に基づき、準備を進めている。

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