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ナイルズ(中央)は一見お調子者だが達観したところもある ©2020 PS FILM PRODUCTION,LLC ALL RIGHTS RESERVED

――『アベンジャーズ/エンドゲーム』のように、正確さよりも何かをする際の「科学的な方法」がどのように描かれるかが大事な作品もあるというのが持論だそうだが。

そのとおりだ。あと、科学に関わっている人の描き方も重要だ。ありとあらゆるタイプの多様な人々であるべきだ。

『パーム・スプリングス』の台本には(ヒロインが)科学者とタイムループの現象について話をする場面があった。私は経験上、これが「いかにも」な科学者の描写になりがちなことを承知していたので、この種の科学の専門家にもいろんなタイプがいることを示すいい機会だと、科学者役は女性とか有色人種がいいのではと提案した。そうしたら(黒人である)私にオファーが来た。そんなつもりはなかったからすごく驚いた。

――あなたが台本に付け足したのはどの辺り?

鍵となる要素は既に必要な場面にちりばめられていた。製作者側が押さえておきたかった点は2つ。1つ目はこの現象がどのように始まったかだ。作中で全てを語るわけでなくても、きちんと把握しておきたいと考えていたんだ。

それから、問題を解決するための方法をどのくらい映画の中に描き込むかも課題だった。台本では細かい点について非常に曖昧にしか書かれておらず、誰も状況をきちんと思い描けていなかった。そこで私は、物理学などについて主要人物たちが語り合う内容を提案した。

よくあるのが、誰かが造った機械によってタイムループが起きるという設定だ。だが私は、何らかの理由で起きた自然現象という案を推した。実際の物理学でも、人間のスケールを大きく超えて時空の構造に干渉するようなとんでもない事象が起きる。超大質量ブラックホールとか、宇宙の形成間もない時期に起きた事象もその類いだ。

そんなことを引き起こす機械を人間が造れるようになるはずがない。だから人知を超えたレベルの何かが起きたことを示す象徴として地震が描かれる。

バックトゥザフューチャーは陳腐だが最高
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