このMILFのメンバーにも「マウテ・グループ」によるリクルート作戦の矛先が向けられていることが分かった。MILFのメンバーは元武装組織構成員で、ゲリラ活動や武器の扱い方に慣れていること、約1万人とされるメンバーの中にはまだ武器を所持して非武装化に応じていないメンバー、さらにMILFと政府の和平調印に不満を抱く先鋭的メンバーが存在していることが「マウテ・グループ」にしてみれば「魅力的」であることがリクルート作戦展開の素地となっているという。
このためMILF指導部は「公式にMILFメンバーに対してマルテ・グループなどへの参加を禁止しており、参加しようとしている仲間がいることには失望している」との声明を出すまでになっている。
MILF指導部はメンバーが多数居住するバリンドン、マダラム、ピアガポなどのラナオ地方の各地区でのリクルート活動活発化に特に警戒を呼びかけているという。
頭の痛いドゥテルテ大統領
このようにフィリピンの反政府武装組織、テロ組織は軍や警察による掃討作戦、さらにドゥテルテ政権による和平工作などで戦力低下、組織分断が進んでいる。
その一方で各組織、グループによる新たなリクルートによるメンバー獲得、組織同士の連携と引き抜き、合従連衡、そしてインドネシアのテロ組織などとの国際的なネットワーク構築と「組織、ネットワークの再構築化」に生き残る道を見出す動きが急ピッチで進行している。
こうしたテロ組織や武装グループは10月23日の政府側によるマラウィ市解放記念日に向けて何らかの行動を準備しているとの情報もあることからラナオ地方を中心にしたミンダナオ島各地で治安当局は警戒態勢を強めているとしている。
ミンダナオ島周辺は「アブ・サヤフ」の残党で最重要指名手配中のムンディ・サワジャン容疑者らの潜伏も伝えられており、治安当局やミンダナオ島のダバオ市長も務めたドゥテルテ大統領にとっても頭の痛い状況が依然として続いている。
