女子校は退屈でも善き場所だった記憶を引きずるあまり、『マリア様がみてる』シリーズを読みふけるようになる。


『マリア様がみてる』

 今野緒雪[著]

 集英社

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学内での姉妹制度に青春を傾ける女生徒たちの美しくみずみずしいストーリーは、自分自身が女性同士のプラトニックな敬愛関係に萌える人種であることを教えてくれた。いわゆる「百合萌え」の要素がここで確立される。

現実から目を背けてだらだら生きてきた20代が終わり、両親も諦めムードだったそのときに、壇蜜として生きる運命が回り始める。言われるがまま、求められるがまま脱いだり着たりする日々に抵抗はなかったが、両親はますます落胆するようになる。

しかし、新人時代に付き合っていた男が教えてくれた『蒼穹の昴』(浅田次郎)は私に天命という言葉を教えてくれた。今が天命を知る機会であり、今していることが天命であると勝手に考えた私は壇蜜としての天命を受け入れる。結果として今がある。当時の男は酒癖が悪くトンデモな者だったが、感謝している。


『蒼穹の昴』

 浅田次郎[著]

 講談社

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<2020年8月11日/18日号「人生を変えた55冊」特集より>

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2020年8月11日/18日号(8月4日発売)は「人生を変えた55冊」特集。「自粛」の夏休みは読書のチャンス。SFから古典、ビジネス書まで、11人が価値観を揺さぶられた5冊を紹介する。加藤シゲアキ/劉慈欣/ROLAND/エディー・ジョーンズ/壇蜜/ウスビ・サコ/中満泉ほか
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