これら一連の経緯は、BBC中文サイト以外では英文版"Why The U.S. Government Stopped Funding A Research Project On Bats And Coronaviruses"でも報道されている。たとえBBCでも中文サイトでは信用できないと思われるかもしれない方のために、念のためご紹介しておこう。

米情報機関が新型コロナ「人工的ではない」

4月30日にアメリカの情報機関を統括する国家情報長官室は新型コロナウイルスについて「人工のものでも、遺伝子組み換えされたものでもないという、幅広く科学的に認められている見方に同意する」という声明を出した。発生源については「感染拡大がウイルスに感染した動物との接触から起きたのか、武漢の研究所での事故が原因なのか判断するため、今後も情報を精査していく」としている。

これに関しては日本の多くのメディアが報道しているが、興味のある方は英語の原文情報をご覧いただきたい。 

中国の激しい抗議

中国共産党系おおよび中国政府系メディアは、連日、激しい抗議の声を上げ続けている。中央テレビ局CCTVでは毎日トランプとポンペオの発言に関する特集番組を組んで報道しているし、また中国共産党の機関誌「人民日報」は5月1日から毎日連続のシリーズで抗議論評を発表し続けている。

5月1日「第一回」

5月2日「第二回」

5月3日「第三回」

5月4日「第四回」

5月6日「第六回」

5月7日「第七回」

などである。

これを1時間に1回ずつくらい、CCTVで「さあ、仇を取ってやるぞ!」という顔つきと声の張りで「キリッ!」と叫び続ける。

おまけにフランスでの最初の感染者は昨年12月で、この患者にはコロナ流行地域への渡航歴がないことが5月5日にわかった

中国の、このニュースへの飛びつきようは尋常ではなく、鬼の首でも取ったような勢いだ。

スペイン風邪の発生源は今でも決着していない

1918年1月から1920年12月まで全世界を巻き込んで猛威を振るったスペイン風邪はインフルエンザによるパンデミックで、約5億人(当時の世界人口の4分の1)が感染し、死者数は1,700万人から5000万人との推計が多く、1億人に達した可能性も指摘されている。

その発生源に至っては、アメリカ説が最も多いが、フランス説や中国説などもあり、100年経った今でも、まだ解明されていない。

だからウイルス発生源で勝負しようと思ってはいけない。トランプの大統領再選にも影響するし、アフターコロナの米中パワーバランスにも悪影響を与える。

表現を譲歩し始めたトランプ

案の定、トランプは自説である「武漢研究所説」の表現を微妙に変え始めた。

アメリカは「譲歩の連続」