ここは、いま一度立ち止まって考える時である。日本が外国人労働者を必要としているのは、陳腐化し消耗戦に突入した今までのシステムを生き永らえさせるためだけではないのか。いつの間にか人を「コスト」として見るようになっている原因はまさにそこにあるのではないか。人を「財」として向き合う日本的経営を取り戻すには、まずは経済成長を伴う産業構造の根本的な改革が必要ではないだろうか。

そのためにはもう1点、大切なことがある。30年前に若い日本人男子の同質性を力にジャパン・アズ・ナンバーワンと称賛された日本だが、再びよみがえるときの大きなキーワードとなるのは多様性(ダイバーシティ)と包摂(インクルージョン)であることは間違いない。

日本的経営が世界から称賛されるところを、生きているうちにもう一度見てみたいと願う日本ファンは、言わずもがな私だけではない。

<2020年5月5日/12日号「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集より>

【参考記事】コロナ禍を機に観光業を「解毒」せよ(アレックス・カー)
【参考記事】ロバート キャンベル「きれいな組織図と『安定』の揺らぎ」

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2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。
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後に「あの時が日本にとって大事な局面だった」と振り返るであろう、歴史的な1ページを私たちは生きているに違いない。そしてこれは、かつて輝いていた日本的経営の「復活」にも大いに関わる話だと思う。