第2号ファンドの設立も壁に

孫会長の投資家としての最大の実績は、中国の電子商取引大手アリババ・グループがまだ創業間もないころに同社への投資を決めたことだ。しかしその後、IPOを撤回したウィーワークの救済も含め、孫会長は一連の挫折に見舞われた。

ビジョン・ファンドが出資するスタートアップ企業は軒並み、収益性を取り戻す方法を模索したり、人員の削減に動いている。

ソフトバンクグループは4月13日、市場環境の悪化を受け、ソフトバンク・ビジョン・ファンドで約1.8兆円の投資損失を計上する見通しであることを明らかにした。

アナリストらは、今やビジョン・ファンドの投資の価値はコストを下回っている公算が大きいとみている。

ビジョン・ファンドのつまづきで、孫会長の第2号ファンド設立計画も壁に直面している。

関係筋によると、物言う投資家として知られるエリオット・マネジメントをはじめとするソフトバンクの株主らは、ソフトバンクの取締役会の中に委員会を設置して孫会長の大型の投資案件に監視の目を光らせるよう要求している。

ニュー・エンタープライズ・アソシエイツのパートナー、ベン・ナラシン氏は「ビジョン・ファンドは多くが期待していたような実績を残せなかった。(ソフトバンクの)投資案件の中には、そもそも理にかなっていたかどうか疑問なケースがある。投資判断が正しかったものもあるが、今後新型コロナが障害となる公算が大きい」との見方を示した。

ビジョンファンドの匿名の関係者は、新型コロナの経済的影響は、感染が拡大し始めたころのファンドの予想をはるかに超えていると述べた。

サンフォード・C・バーンスタインのアナリスト、クリス・レーン氏は「昨年11月に、ソフトバンクはビジョンファンドの投資先のうち約15社が破産する可能性が高いとの見方を示した。それ以降、世界は明らかに変化した。最終的に30社が破産しても驚かない」と語った。

[バンガロール/東京 ロイター]
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