価値のある知識や知恵、ノウハウも、活用しなければ持っていないのと同じだ。すぐに忘れてしまうのも、本を読んでも読みっぱなしになっていることが原因で、記憶力はアウトプットすることで鍛えられるという。

インプットした情報を定着させるために、齋藤氏は本書で、すぐにアウトプットする3つの方法を提案している。

(1)その日のうちに人に話す

知的な情報に触れたら、その日のうちに誰かに話すこと。それにより、自分流の編集が加わり情報が自分のものとして記憶されやすくなる。

(2)読書行動をライブ配信する

本を読み始めてから読み終わるまでの一連の行動をSNSでライブ配信する。自分の心が動いたときは、その都度コメントをアップする。それにより、復習効果で記憶に定着を図るのだ。

(3)読書リストを作る

読み終えた本をパソコンや手帳などに書き残し、リスト化する。これは、SNSやブログなどでアウトプットするときのネタにもなる。

インプットを増やすのに効果的な「知的プレッシャー」

情報をアウトプットするためには、まずインプットが必要であると考えるのが一般的だろう。しかし齋藤氏は、先に考えるべきはアウトプットだと言う。なぜならば、アウトプットの形を決めることによって、インプットの質、量、方法が変わるからだ。

例えば、英語の勉強であれば、「何のために学ぶのか」を考えてみる。

「海外小説の原書を読んでみたい」のであれば、絵本など内容を知っている本を読み、次に興味がある分野の原書を読むなど、目で学ぶことが必要だ。一方、「英語が話せるようになりたい」のであれば、英語アプリやラジオを聴き、英会話教室へ通うなど耳で学ぶのが適切である。

では、実際に「知的な素材」のインプットを増やすための方法にはどんなものがあるのだろうか。

齋藤氏は知的な素材集めのための6つの方法を挙げている。


(1)「名著」を読んで、知的生活の基盤を作る
(2)「テレビ」を流して、最新の流行感覚を養う
(3)「映画鑑賞」で知的な刺激を得る
(4)「朝刊」をパラパラと眺める
(5)ネットニュースで知識を深掘りする
(6)高校の授業を振り返る(高校時代の資料集にあたる)
(32ページより)

毎日、知的な素材に触れることで、知的なレベルは確実に上がる。しかし、それを続けることはなかなか難しいものだ。そこで効果的なのが「知的プレッシャー(知的圧力)」だという。

知的プレッシャーとは、アウトプットを強制・強要される状況に身を置くこと。「仕事をするためには、知識とスキルが必要だ」などの強制力が働き、「アウトプットするためにインプットをする」というサイクルが回りやすくなる。

アウトプットでは、知的な素材をオリジナルにアレンジする

齋藤氏によると、アウトプットを知的にする「知的生産」には、素材自体が知的であるものを自分なりにアレンジしたり、すでにある素材にクリエイティブな要素を加えたりする作業が必要になる。

例えば、「アメリカを代表する心理学者、ウィリアム・ジェームスが言っている」のように、知の巨人を引き合いに出して自分の考えを補強する。それによって、アウトプットに揺るぎない説得力と知性を加えることが可能になるのだ。

個性的な素材や題材を集め、アウトプットにアレンジを効かせる