Noriyuki Hirata
[東京 27日 ロイター] - TOPIXの定期銘柄入れ替えや10月の浮動株比率(FFW)変更が近づく中、指数に連動するパッシブファンドなどがポジションを構築する動きが改めて意識されている。銘柄入れ替えに伴う思惑は今月前半の正式発表でいったんの節目を迎えたが、入れ替え日の前日に当たる29日の大引けにかけて、実際のリバランスの動きが強まるとの観測が出ている。
「買い需要が見込まれる銘柄が買われ、売り需要銘柄が売られるといったリバランス本来の動きが、今週入り後に加速しているようだ」とフィリップ・キャピタル証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッドは指摘する。
TOPIXの銘柄入れ替えを巡る思惑は、主要な証券会社各社による事前の推計を受けて、定期入れ替えの基準日となった8月31日以降、織り込みが進んだ。10月7日に正式な銘柄が公表されたことで、思惑に基づく売買は一巡したと市場では受け止められている。
実際、増沢氏が買い需要と売り需要が見込まれる銘柄群の値動きについて集計したところ、買い需要・売り需要が見込まれる銘柄群は、事前予想に基づく売買がみられ、その後の正式発表を経て、いったん出尽くしとなった様子がうかがえる。「ある程度、手垢がついており、あまり妙味はないのではないか」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャー)との見方は多い。
ところが26日以降、再び流れが反転している。TOPIXをベンチマークとするパッシブ連動資金を中心に「期日が迫る中で実需に向けたポジション構築の動きが本格化してきているものと推察される」(増沢氏)という。
数日分の売買代金に相当する資金移動のインパクトが見込まれる銘柄があることも要因の一つとみられる。例えば、新規採用の日本マクドナルドホールディングスは約17日分と見込まれている。
今回の銘柄入れ替えやFFWの変更では、売り買い双方で約4.8兆円のリバランスが想定されるという。買いはキオクシアホールディングス約9748億円、アドバンテスト約1955億円、リクルートホールディングス約1472億円、売りは三菱商事約2398億円、村田製作所約2306億円、三菱UFJフィナンシャル・グループ約1770億円などと推計されている。
こうしたリバランスの動きは、銘柄入れ替えやFFWの見直しが指数に反映される30日の前日29日の大引けにかけて続く可能性があると増沢氏は話す。採用銘柄間の資金移動となるため、TOPIXへの影響はニュートラルとなる一方、AI関連の主力株で買い需要が見込まれており「日経平均の支援材料になり得る」という。
<除外候補銘柄の動向に関心継続>
銘柄入れ替えに関しては、27年に向けた動きへの関心が継続している。「まだ間があるが、拾える銘柄を探していくのは面白そうだ」(しんきんAMの藤原氏)との声がある。
除外候補となった銘柄もすぐに除外されるわけではない。段階的にウエートが低減されながら、27年10月の再評価で継続基準を満たす銘柄はウエート低減が停止される。
基準日となる来年8月末に向けて、まず「TOPIXに残る意思があるかが焦点」と東海東京インテリジェンス・ラボの山藤将太エクイティマーケットアナリストは指摘する。
その上で、TOPIXに残る意思を示す企業は、株主還元などを通じて株価を引き上げようとするか、浮動株時価総額を引き上げるため需給悪化につながる売り出しなどに動くかがポイントになる山藤氏は話している。