Tetsushi Kajimoto
[東京 27日 ロイター] - 政府は10月の月例経済報告で、景気は「緩やかに回復している」との基調判断を維持した。緩やかに回復との判断は42カ月連続となっているが、内閣府担当者は、景気回復の勢いは「弱い」とみている。
今回は「中東情勢の影響を注視する必要がある」との文言を踏襲する一方、「自然災害を注視する必要がある」との文言は削除した。内閣府では、熊本地震等の影響が景気全体を下押しするリスクは和らいできたが、中東情勢は引き続き先行き不透明感があり、物価への波及を通じて、所得の海外流出の恐れが引き続きある、としている。
個別項目では、業況判断について、前月までの「概ね横ばいとなっている」から「全体としては改善の動きがみられる」に上方修正した。上方修正は23年12月以来。AI(人工知能)や半導体関連の需要の強さを反映しており、製造業を中心に上向きの動きがみられるという。先行きについての慎重な見方も和らいでいる。
輸出は、このところ持ち直しの動きに「足踏みがみられる」とし、前月までの「持ち直しの動き」から下方修正した。これまではアジアが弱めの動きだったが、米欧を含めて全体的にいったん足踏みとなっているという。
内需の柱である個人消費、生産は「持ち直しの動きがみられる」、設備投資は「持ち直している」の判断に変更はなかった。
ただ、家計消費の伸びは「緩やか」で、政府の補助金等の政策効果でエネルギー価格の伸びは抑えられているものの、食料品価格の上昇が顕著で、非耐久財の消費を中心に家計が抑制されている。
国内企業物価は、先月までの「上昇テンポが鈍化している」から「横ばいとなっている」に表現変更された。石油製品などがいったん落ち着いた動きになった。
消費者物価についても、前月までの「緩やかに上昇」から、「このところ上昇」に表現変更となった。コメ価格は落ち着いたが、ポリ袋やペーパー類の家事・日用品、サービス関連の宿泊料に上昇が見られることが背景。
先行きについては、自然災害の影響を注視との表現を削除。「雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えすることが期待される」としつつ、中東情勢の影響や金融資本市場の変動などに注意する必要があるとした。
※〔表〕月例経済報告の景気判断の推移はをご覧ください。