10月27日に行われるイスラエルの総選挙は、本来ならこの国の命運を決める最も重大な選挙になるはずだ。ベンヤミン・ネタニヤフ首相が過去4年間推し進めてきたように自由主義をかなぐり捨てて国際社会に背を向け、攻撃的な軍事作戦を実施し続けるのか。それとも、より自由主義的な価値観に立ち返り、世界との関係を修復するのか。
だが、これほど重大な選挙であるにもかかわらず、この選挙でイスラエルの将来に対する明確な結論が出ることは期待できない。世論調査では2大陣営のいずれも、単独で過半数議席を獲得できる見通しは立っていないからだ。
投票日を間近に控えた段階でも、ネタニヤフ陣営は(宗教政党と極右政党を加えても)せいぜい49議席、一方の「反ネタニヤフ」陣営は最大54議席を獲得するとみられ、いずれも議会の過半数の61議席には及ばない。
残りの議席は主にアラブ系の2つの政党が獲得する見込みで、理論上はこの2政党が加われば反ネタニヤフ陣営は政権樹立に必要な過半数をギリギリ確保できる。ところが、この陣営の複数の政党はアラブ系政党との閣内協力を断固拒否する構えを見せている。
もっとも世論調査の結果は必ずしも当てにならない。イスラエルの右派の有権者は世論調査に非協力的で、そのためにネタニヤフの支持率は実際より低い数字になりがちだ。投票率が高いかどうかでも最終的な結果は変わる。何よりイスラエルの選挙は全国1区の比例代表制で、議席配分に必要な最低基準をクリアできるかどうか微妙な小政党が存在する。そのため、わずか数千票の差が2大陣営の勝敗を左右することもある。