日本企業のたとえ小さな取り組みでも、メディアが広く伝えれば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく――。そうした「発信と共創の場」をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版は2023年春、「SDGsアワード」を立ち上げました。
2026年、私たちはこの想いをさらに深化させ、ビジネスと社会貢献の融合により強くフォーカスするため、名称を新たに、ニューズウィーク日本版「サステナビリティアワード」として、第4回のプロジェクトを始動しました。
先の見えない今の時代にこそ、日本企業のたゆまぬ挑戦とサステナブルなビジネスモデルが、世界に求められています。私たちは今年も、日本企業によるサステナブルな取り組みを発信していきます。
介護の仕事には、食事や入浴、リハビリの支援に加え、利用者の状態を記録し、関係者に情報を共有するための書類作成も欠かせない。適切なケアを提供するために重要な業務だが、作成に時間を取られるほど、利用者と接する時間を確保することも難しくなる。
人材不足が課題となる介護現場で、限られた時間をいかに有効に使うか。リハビリ特化型デイサービスのフランチャイズ本部を運営する株式会社HLCは、AIを活用した報告書作成の効率化に取り組んでいる。目指すのは、事務作業の効率化によって生まれた時間を利用者のケアに充てる「人のためのDX」だ。
報告書の作成時間を最大50%短縮
リハビリ特化型デイサービス「ソレイルミナーレ」「リハてらす」のフランチャイズ本部として、全国29店舗(2026年10月1日時点)を展開し、加盟店支援を行うHLC。介護サービスの提供に加え、AI・DXを活用した業務改善や経営支援にも取り組み、利用者と運営側がともに無理なく続けられる介護のあり方を目指している。
今回同社が見直したのは、利用者の状態やリハビリの経過をケアマネジャーに伝えるモニタリング報告書の作成業務だ。従来はスタッフが日々の介護記録を確認し、1件あたり約10〜15分かけて手入力で作成していた。利用者が増えるにつれて書類作成の量も増え、スタッフの負担が増大。利用者のケアに充てる時間を圧迫していたという。
そこで同社は、介護記録をもとにAIがモニタリング報告書の下書きを生成し、スタッフが内容を確認・修正して確定する仕組みを構築した。導入に向けた自社検証では、報告書の作成時間を通常で20〜30%、介護記録が充実した一部のケースでは最大50%短縮できることを確認したという。検証と運用フローの整理を経て、2026年3月には全国17店舗へ順次展開を開始した。