Emma Farge

[マルティニー(スイス) 8日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)のマルタン副総裁は8日、国内のインフレ圧力は高まっているものの、金融政策を調整する必要はないとの見解を示した。

マルタン氏はスイス南西部マルティニーで開かれた会合で、ここ数カ月のインフレ率上昇は主に、中東紛争に伴う原油価格の上昇によるものだと説明した。

9月のインフレ率は1.0%に加速し、2年余りぶりの高水準となった。これを受け、市場では中銀が12月に政策金利を現在の0%から引き上げるとの観測が強まった。

ただ、マルタン氏は、スイスのインフレ率は他の多くの国と比べて低く安定しているとして、政策方針を変える必要はないと述べた。「インフレ率は物価安定の目安とする0─2%の範囲に十分収まっている。このため現時点では金融政策を変更する必要はないと考えている」と語った。

「もちろん、これらの予測には依然として大きな不確実性がある。特に、イランでの戦争がまだ終結しておらず、それに伴う地政学的な緊張があるためだ」とも述べた。

また、インフレの影響が経済の他の分野に波及する兆候も見られないとした。「問題は、例えば企業が賃金上昇や原油高による将来の物価上昇を見越して、価格や賃金をどの程度引き上げるかだ」と指摘した。

「現時点でこうした2次的な影響は見られず、極めて心強い。賃金と物価がスパイラル的に上昇し始めると、インフレがさらなるインフレを招くようになり、問題が生じる」と述べた。

今後も2次的な影響の兆候が見られなければ、インフレ率は現在の水準近辺にとどまるとの見通しを示した。

スイス経済は現在「非常に好調」だとも述べた。スイスフランはここ数カ月で下落したものの、インフレ調整後では2020年以降、安定していると続けた。

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