[ロンドン 2日 ロイター] - フィデリティ・インターナショナルの債券部門最高投資責任者(CIO)のマリオン・ルモルデック氏は2日、最近のフランス国債売りについて、欧州国債市場で存在感を増しているヘッジファンドが大きな要因になっているとの認識を示した。

ルモルデック氏は「現在のフランス市場では、ヘッジファンドの存在感が非常に大きくなっている。資金フローを見ると、現在のスプレッド(ドイツ国債に対するフランス国債の利回り上乗せ幅)の動きのうち、おそらく50%はヘッジファンドの活動によるものだ」と述べた。

フランス国債は価格が急落し、利回りが上昇している。世界的な債券売りに加え、フランスの財政状況に対する懸念が強まり、投資家がより安全な欧州国債へ資金を移しているため。

LSEGのデータによると、フランス10年債利回りの対独上乗せ幅(スプレッド)は2日、150ベーシスポイント(bp)に拡大した。両債のスプレッドは過去1週間で50bp程度拡大し、週間ベースでは2011年11月以来最大の上昇幅となる見通しだ。

ヘッジファンドは近年、欧州の国債市場で主要なプレーヤーとなっている。年金基金など従来型投資家が保有を減らしているためだ。ヘッジファンドは現在、欧州国債市場における取引活動の約半分を占めるとの推計もある。

ヘッジファンドは短期間での収益獲得を目指すことが多く、借り入れ資金を使って投資するケースも少なくない。そのため市場の値動きを増幅し、ボラティリティーを高める可能性がある。

ルモルデック氏は「フランスの情勢が危機的な状況に陥るとは懸念していない。しかし市場は政治情勢を見極めようとしているのは明らかだ。政治家に対して『財政運営には注意が必要だ』と警告を発している」と述べた。

欧州中央銀行(ECB)が緊急措置「トランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)」を使ってフランス国債市場の下支えに動く可能性についてルモルデック氏は「ECBが金融安定への脅威になると判断すれば、利用可能な手段を何でも使うだろう。ECBは市場参加者、とりわけヘッジファンドとも常に対話している」と述べた。

もっとも市場では、フランスがECB支援の条件となる財政や財政赤字に関する主要基準を複数満たしていないため、現時点でTPI発動の可能性は低いとの見方が一般的だ。

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