Arasu Kannagi Basil Pritam Biswas
[2日 ロイター] - 米資産運用会社ブルー・アウル・キャピタルの主力プライベートクレジットファンドで、7-9月期の解約請求が前期から減少したことが分かった。
同社が2日に公表した投資家向け書簡によると、傘下のファンド2本に対する7-9月期の解約請求額は計42億ドルと、前期の47億ドルを下回った。両ファンドはこうした商品で一般的な上限である発行済み株式の5%を買い戻す。
今回の解約請求の減少は、プライベートクレジット業界が解約圧力の最悪期を脱しつつある可能性を示す新たな手掛かりと言える。投資家心理が改善する一方、資産運用会社は過去に受け付けたものの実行できていない解約請求の処理を進められるようになった。
市場関係者は、一部の大手ファンドで未処理の解約請求がなお積み上がっているものの、請求額が減少方向にあることは前向きなサインだとみている。
プライベートクレジットファンドでは今年、融資審査基準への懸念や人工知能(AI)の普及がソフトウエア企業に及ぼす影響への警戒から、過去最高水準の解約圧力が高まった。ソフトウエア企業はプライベートクレジットの主要分野とされるダイレクトレンディングの主要な借り手だ。
もっとも資産運用会社の幹部らは、ファンドの実際の運用成績ではなく、プライベートクレジットに対する懸念が先行して解約を招いているとして、市場から過度に厳しく評価されていると主張している。
ブルー・アウルの主力ファンド「ブルー・オウル・クレジット・インカム(OCIC)」では、7-9月期の解約請求が発行済み株式の16.8%となり、前期の18.8%から低下した。OCICの運用資産は351億ドルで、非上場の事業開発会社(BDC)として業界2位の規模を持つ。
OCICによると、新規の解約申し込みは引き続き限定的で、請求の大半は過去に処理されなかった投資家による再申し込みだった。
大手プライベートクレジットファンドは今年、一般的な5%の買い戻し上限を適用しているため、処理されなかった投資家が次回の買い戻しで再び申し込むことで、解約請求が高止まりする状況が続いている。
ブルー・アウルの経営陣はこれまで、同社商品の堅調な運用成績が非上場ファンドの解約請求減少につながっているとの見方を示していた。7-9月期の買い戻し申し込みは9月30日に締め切られた。OCICなどのファンドは、運用資産の大部分が変動金利型であることから、金利環境が引き締まる局面で恩恵を受けやすいとみられている。
今年はプライベートクレジットファンドの運営を巡る否定的な報道をきっかけに投資家の不安が急速に高まり、業界の混乱の中心となったのがブルー・アウルで、傘下のファンド2本への解約請求は1-3月期に過去最高の54億ドルに達していた。
エバーコアのアナリスト、グレン・ショア氏は「非上場BDCにとって、より長期的な問題は新規資金流入の鈍化だ」と指摘した。ダイレクトレンディングが顧客やアドバイザーの支持を取り戻すには時間がかかるとしながらも、業界はダイレクトレンディングを巡る問題の波及を抑えることに成功しており、ブルー・アウルのウェルス部門の他の商品は引き続き堅調だと付け加えた。
テクノロジー分野に特化した「ブルー・アウル・テクノロジー・インカム(OTIC)」では、解約請求が依然として業界平均を大きく上回った。株主構成が集中していることや、投資対象が専門的であることが背景にある。同ファンドではソフトウエア関連が運用資産の大きな割合を占める。
運用資産50億ドルのOTICでは、7-9月期に11億ドルの解約請求があり、発行済み株式の39%に相当した。前四半期は11億ドル、38.1%だった。
OTICの買い戻し請求も、ほとんどが過去に処理されなかった請求を投資家が再提出したものだった。