[ハノイ 3日 ロイター] - ベトナム政府が3日発表した統計によると、2026年第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比9.95%増加し、新型コロナウイルス禍以降で最も高い伸びとなった。第2・四半期改定値は8.81%増だった。
第3・四半期の成長は好調な輸出が支えになったほか、旺盛なインフラ投資がけん引した。ただ政府が掲げる通年で10%超の成長目標の達成にはなお届いていない。
9月のモノの輸出は前年同月比39.1%増の594億8000万ドルだった。もっともベトナム経済は今年、イランでの戦争に伴う輸入コストの上昇に直面しており、1-9月の貿易赤字は過去最大に膨らんだ。
貿易赤字拡大につながったのはエネルギー輸入価格の上昇で、1-9月の原油輸入は数量ベースで13.5%減少したものの、金額ベースでは14.4%増加。石油製品の輸入は数量で11.5%増だったのに対し、金額では79.3%増となった。
一方政府が景気押し上げに向けインフラを中心とする公共投資を拡大する中で、1-9月の投資総額は前年同期比16.7%増加した。外国投資の流入額も12.1%増の211億ドルとなった。
アジア開発銀行(ADB)は先週、ベトナムの26年の経済成長率予想を従来の7.2%から7.8%に引き上げ、製造業の拡大や堅調な個人消費、持続的な海外直接投資を背景に、短期的な成長見通しは引き続き力強いと分析した。
それでもADBは中長期的には、世界的な需要の弱まりや外部環境を巡る不確実性の高まりが成長の重荷になる可能性があるほか、エネルギー価格の上昇や世界的な金融環境の引き締まりが、インフレや為替への圧力を強める恐れがあるとの見方を示した。
リスク情報会社ベリスク・メープルクロフトのアジア担当シニアアナリスト、ローラ・シュワルツ氏は、ここ数カ月でインフレが加速していることを踏まえ、ベトナム経済が過熱する可能性への懸念が高まっていると指摘。「短・中期的に予想される電力不足も大きな課題になる」と述べた。