しかし、戦後、史上最悪の事態を生み出したものに対する真摯な反省はいつの間にか消えて、今日にまで至ってしまった。
譲位の件も現在の皇室典範はふつうの法律であるから、国会で議決して改正すればいいだけの話であった。それなのに時代錯誤し、中には「憲法問題になってくる。予測はつかないが、日本の社会に大きな混乱が起こる」などとフェイクニュースを流す人もいた。めずらしく誰も忖度せず、陛下みずからカメラの前で国民に直接訴えざるをえなかった。玉音が流れたからには仕方がないという感じでようやく動き出し、結局、一代だけの特例として渋々認められた。
まあ、何はともあれ、とりあえず陛下のご希望が叶えられてよかった。
歴史上61の天皇が譲位している。125代のほぼ半分、実在が確認されている天皇に限れば半数を越える。日本の伝統にあるまったく普通のことである。
