Tom Balmforth Felix Hoske

[ロンドン/キーウ 18日 ロイター] - ロシア軍が訓練用ミサイル「RM48U」を転用し、ウクイナへの攻撃に大量に投入していることがウクライナ当局のデータで明らかになった。

ウクライナ検事総長室の軍事アナリストがまとめた統計によると、7月から8月上旬にウクライナに向けて発射された弾道ミサイルと極超音速ミサイル計228発のうち、半数以上をRM48Uが占めた。ロシアが「イスカンデル」などの主力攻撃ミサイルの備蓄を減らさずに、今夏に攻撃を拡大した実態が浮かび上がった。

英防衛シンクタンク、王立防衛安全保障研究所(RUSI)のシダース・カウシャル上級研究員によると、ロシアにはRM48Uを大量に発射することで、ウクライナに残る迎撃ミサイルを消耗させるとともに、精密攻撃ミサイルを使わずに重要度の低い標的を攻撃する狙いがある。

同氏は「これらを使用することで、ロシア側は『イスカンデル』や『KN23』『ツィルコン』などの高性能なミサイルを温存し、攻撃を本格化させたい冬に投入できる」と指摘した。

ウクライナのデータによると、7月にRM48Uによる攻撃が急増した一方で、イスカンデルの発射数は前月の100発超から38発に減った。

<弾道軌道を高速で飛行>

ウクライナ検事総長室と同国国防省情報総局(GUR)によると、RM48Uは弾道軌道を高速で飛行する。ただロシアの主力短距離弾道ミサイルであるイスカンデルよりも威力と命中精度が劣るという。

8月のキーウ近郊ブロバルイ地区の鉄道ホームへの攻撃など、ここ数カ月に多数の民間人死傷者を出した複数の攻撃について、検事総長室はRM48Uの使用とその命中精度の低さが関係していると指摘した。

ウクライナの公式データによると、ロシアが7月に発射した弾道・極超音速ミサイルは、2022年の全面侵攻開始以降で月間最多となった。発射数は158発に上り、うち87発がRM48Uによるものだった。8月1─8日の弾道・極超音速ミサイル発射は70発で、うち36発がRM48Uによるものだった。

米国の戦争研究所は8月、ロシアが使用可能なイスカンデルの備蓄を約100発、RM48Uを400発と推定した。

GURによると、ロシアはRM48Uの生産数を昨年の200発から今年は480発へ2倍以上に増やす計画だ。

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