Francesco Canepa

[フランクフルト 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のブイチッチ副総裁はロイターに対し、市場がECBによる追加利上げを予想しているのはエネルギー価格の上昇が主な理由だが、政策担当者は今後の政策決定にあたって、より幅広い経済指標を考慮するだろうと述べた。

投資家は、ECBが先週、中東情勢の悪化に伴う燃料費高騰を受けて利上げを決めたことを受け、追加利上げへの期待を高めている。

ECB理事会のメンバーであるブイチッチ氏は16日に行ったインタビューで、金融政策の唯一の決定要因として原油・ガス価格にばかり注目することに警鐘を鳴らし、「私が強調したいのは、金融政策の決定にあたってはエネルギー価格だけを見るのではなく、はるかに幅広いデータと基準を考慮しているということだ。エネルギー価格がどれほど重要であっても、それだけに注目するのは賢明ではない」と語った。

ブイチッチ氏は、エネルギー価格の高止まりはインフレを押し上げるだけでなく、家計の所得と支出を圧迫することで経済成長を弱める可能性もあると述べた。

また、寒い冬は暖房費の上昇につながり、インフレの打撃をさらに悪化させるとの見方を示した。一方で、ユーロ圏が過去4年間で天然ガスへの依存度を下げたため、貯蔵量の少なさは2022年にロシアがウクライナに侵攻した時よりも脅威ではなくなったと指摘した。

さらに、一部の購入前倒しによる輸出の好調と個人消費の堅調見通しにより、経済は予想以上に回復力があることが証明されたと語った。

ECBは6月と9月に政策金利を25ベーシスポイントずつ、2.50%まで引き上げ、四半期ごとの予測も更新した。ブイチッチ氏は、このペースは「当面の間」維持する価値があるとし、「今後数カ月の状況を見守り、それに応じて政策を調整していく」と語った。

金融市場は、来年末までにさらに3─4回の利上げを織り込んでおり、次の利上げは早ければ10月にも実施される可能性があると見ている。

ECBは2.50%を超える金利を抑制的、つまり経済成長を阻害するものと表現してきた。

ブイチッチ氏は、ECBはそのようなレッテルにあまりこだわるべきではなく、「特定の時点においてどの金利水準が適切かを評価するべきだ」と述べた。

同氏はまた、過去10年間の景気刺激策の遺産である流動性を抑制する手段として、銀行の準備預金率を引き上げる可能性を示唆した。

「特に過去のように大規模な過剰流動性を生み出した場合、準備預金制度によって、その一部を簡単かつ低コストで不胎化することができる」とし、手数料を徴収したり、一部の預金には利息が付かない階層的な料金体系を復活させたりするよりも、この方法の方が好ましいと述べた。

インフレ率と金利の上昇に対する期待の高まり、そして政府やテクノロジー企業による巨額の資金調達ニーズを背景に、世界中の債券利回りは金融危機以来の高水準に達している。

ブイチッチ氏は、ユーロ圏の銀行は十分な資本と流動性を備えているため、利回り上昇は金融安定性に対する脅威にはならないと述べた。ただ、政府は財政を管理下に置くべきだとし、「時間が経つにつれてインフレ期待が下がれば、価格の調整が見られるかもしれないが、長期的には政府による責任ある財政政策が依然として重要な要素となる」と述べた。

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