[ニューヨーク 3日 ロイター] - ニューヨーク外為市場で、日銀の利上げ観測が強まったことを受け、円が対ドルで急伸した。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が今後の経済指標でインフレ圧力の緩和が確認されれば次回会合での金利据え置きを支持する考えを示したことも、ドルの下げ幅拡大につながった。

円は対ドルで一時2.08%高の155.47円。7月下旬の日米協調介入後に付けた高値の155.21円に接近しており、この水準を上回れば5月6日以来の高値になる。

円はこれまで日米金利差やエネルギー価格の再上昇を背景に下落圧力にさらされていたが、前日の取引で円は対ドルで急騰。日本当局が円買い介入を実施したとの観測が広がる場面もあったが、日銀の資金需給関連データで当局の介入を示す証拠は確認されず、市場関係者は今回の円高について、9月17─18日の日銀金融政策決定会合で追加利上げが従来予想より大幅になるとの見方が市場に織り込まれた結果だと指摘している。

CIBCキャピタル・マーケッツのチーフ国際ストラテジスト、ジェレミー・ストレッチ氏は「日銀当座預金データで、2日に財務省によるドル売り・円買い介入はなかったことが示された。市場関係者は、2日に財務省による『レートチェック』もなかったと報告している」と指摘。ゴールドマン・サックスのアナリストは、この日の円高進行は過去の為替介入局面とは異なり、緩やかなペースだったとし、「円高に伴うドル安の波及効果は、過去の介入時と比べて限定的だった」と述べた。

三村淳財務官は3日、足元の為替相場の動向について「満足も安心もしていない」と述べ、引き続き臨戦態勢であると強調。為替の具体的な水準や動きについて言及することは控えるとしつつ、片山さつき財務相も為替相場に対する姿勢は変わらないと説明しているとした上で「私自身も引き続き臨戦態勢ということだ」と語った。

日銀の高田創審議委員によるタカ派的な発言も円高要因として挙げられている。高田氏は2日、一般論と前置きした上で、内外の環境が変わり得るという先行きを展望した場合、これまでのような0.25%ポイントの利上げ幅が「必ず決まっているというものではない」とし、年2回の間隔での利上げは「従来の発想」であり、情勢によって「結果として、局面が変わるなら連続利上げということも、もしかしたらあり得る」と述べた。

市場では現在、日銀が今月の金融政策決定会合で0.25%ポイントの利上げに踏み切る確率を75%程度織り込んでおり、一部ではそれを上回る幅の利上げが決定されるとの予想も出ている。CIBCキャピタル・マーケッツのストレッチ氏は「利上げペースの加速を巡る思惑が続く限り、向こう数日間はドル/円のロングポジションがさらに巻き戻される可能性がある」としている。

ウォラーFRB理事はこの日の「ロイターネクスト」で、今後発表される経済指標でインフレ圧力の鈍化が確認されれば、15─16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを支持する考えを表明。「(インフレ率が)2%目標に向けて進展し続けていることが確認できれば、政策金利を現行水準に据え置くことを支持する用意がある」と語った。同時に「インフレ指標が予想以上に強い内容になれば利上げを検討する」と述べ、利上げの可能性も排除しなかった。

市場が織り込むFRBが15─16日のFOMCで利上げを決定する確率は48%。ウォラー理事の発言が伝わる前は59%だった。FRBの金融政策の先行きを見極めようと、市場では労働省が4日に発表する8月の雇用統計が注目されている。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.69%安の98.91。

ユーロ/ドルは0.41%高の1.1634ドル。英ポンド/ドルは0.18%高の1.3508ドル。

ドル/円 NY終値 155.79/155.84

始値 156.30

高値 156.36

安値 155.31

ユーロ/ドル NY終値 1.1624/1.1627

始値 1.1601

高値 1.1641

安値 1.1602

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