[シンガポール 2日 ロイター] - 国連環境計画(UNEP)は2日発表した報告書で、産業革命前に比べた世界の気温上昇が、数年以内に重要な節目である1.5度(華氏2.7度)を超える見通しを示した。さらなる異常気象を引き起こし、生態系、氷河、標高の低い沿岸都市への圧力が強まるとしている。

UNEPは、再び1.5度未満に戻すことは「可能ではあるが極めて不確実」であり、急速な排出削減に加え、大気中にすでに存在する二酸化炭素除去策が必要になると指摘した。

報告書の詳細は以下の通り。

• 2015年のパリ協定に基づき、各国政府は産業革命前に比べた気温の上昇を1.5度以内に抑えることを約束した。

• 「オーバーシュート(超過)」の可能性が極めて高くなった今、各国は気温が1.5度を上回る期間をいかに短くするかに焦点を当てる必要がある。

• 対応が1年遅れるごとに、また気温上昇が1.5度をわずかでも超えるごとに回復が困難になり、たとえ後に気温が低下したとしても、取り返しのつかない損失が発生する可能性がある。

• 最も楽観的なシナリオは、既存のすべての国家公約が履行され、気温上昇幅が1.8度でピークに達するというものだが、実際にはそれを大幅に上回る可能性が高い。

• 現在の政策に基づく予想中央値では、2100年までに世界の気温上昇の中央値は約2.6度に達する 。

• 森林造成を含む二酸化炭素除去(CDR)策は、気温上昇の抑制に「極めて重要」だが、現在の排出水準の大幅な削減に代わるものではないと報告書は指摘した。

• 新たな植林を含む二酸化炭素除去(CDR)対策は気温上昇の抑制に「不可欠」だが、現行の排出量の大幅削減の代替にはならない。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。