Jonathan Stempel
[ニューヨーク 2日 ロイター] - 米投資会社バークシャー・ハサウェイのグレッグ・アベル最高経営責任者(CEO)は2日、CNBCのインタビューで、人工知能(AI)向けデータセンターの建設拡大が同社に大きな事業機会をもたらすとの見方を示した。バークシャーはグーグル親会社アルファベットへの投資を拡大しており、アルファベット株は現在、バークシャーの保有する普通株の中で3番目に大きな投資先となっている。
アベル氏は「われわれは皆、AIの影響を見ており、実際に感じている」と述べた上で、アルファベットをAI分野の「重要なプレーヤー」と評価。約3カ月前にウォーレン・バフェット会長とともに、同社のAIインフラ整備を支援するため、追加で100億ドルを投資する判断を下したと明らかにした。
バークシャーは6月末時点で約1億0600万株のアルファベット株を保有し、その価値は約378億ドルに達した。保有株式の上位はアップルとアメリカン・エキスプレスで、アルファベットがこれに続く。
アルファベットへの投資は昨年、バフェット氏主導で始まった。アベル氏は今回の追加投資について、アルファベット株価に対して6.5%割安な水準で実施したと説明した。
アベル氏はバフェット氏とともにバークシャーの資本配分と現金運用を担っており、同社の現金保有額は6月末時点で3647億ドルだった。
またアベル氏はAIの普及に伴ってデータセンターの電力需要が拡大することから、バークシャーのエネルギー事業にも追い風になると主張した。バークシャー・ハサウェイ・エナジーの本拠地である中西部アイオワ州では、昨年の電力需要の約8%をデータセンターが占めたという。
「以前からエネルギー供給が制約要因になると強く考えていた。バークシャーおよびバークシャー・ハサウェイ・エナジーにとって大きな機会であり続ける」と語った。
アベル氏は米国の消費者環境にも言及し、依然として高いインフレ率や住宅ローン金利の影響で家計が圧迫されていると指摘。住宅市場は「当面は平坦ではない道のりになる」との見通しを示した。
バークシャーは6月1日、住宅建設大手テイラー・モリソンを68億ドルで買収したと発表。現在は同社を完全子会社としているほか、レナーやD.R.ホートンにも出資している。
アベル氏は住宅所有を目指す人々の需要が長期的に続くとの理由を挙げて、テイラー・モリソンは今後5年から10年で「非常に優良な資産になる」と述べた。ただ足元の住宅市場に関しては「即時の回復の兆候は見られなかった。しばらくは厳しい状況が続くだろう」とくぎを刺した。
一方アベル氏は東京からインタビューに応じ、バークシャーが伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事の日本の5大商社にそれぞれ10%超を出資していることを改めて説明するとともに、これら商社株を「何十年も」保有し続ける姿勢を明確にした。
2025年3月に戦略的提携の一環として株式を取得した東京海上ホールディングスとの取引拡大にも意欲を見せたが、東京海上によるオーストラリア保険会社サンコープやインシュアランス・オーストラリア・グループの買収観測についてはコメントを避けた。
アベル氏は、8月30日に96歳の誕生日を迎えたバフェット氏と家族を祝った後、東京を訪問したと明かし「ウォーレンは日本への投資を心から気に入っている。私だけが東京へ向かったことを、彼は少し残念に思っていた」と述べた。