ドナルド・トランプ大統領がオンタリオ湖を「アメリカ湖」に改称した後、地図上の表記を変更しないと公表したマップクエストが、アメリカで大きな注目を集めている。

アメリカとカナダの貿易摩擦が激化するなか、トランプは先週、大統領令でオンタリオ湖を「アメリカ湖」に改称した。グーグルマップなど一部の企業がアメリカのユーザー向けに新名称を採用する一方、マップクエストは追随しない姿勢を明確にした。

「変更するつもりはない」──同社はSNSで、そう言い切った。

マップクエストといえば、1990年代にはオンライン経路検索の代名詞ともいえる存在だった。しかしスマートフォン時代に入ると、グーグルマップやアップルマップに押され、その存在感は薄れていった。

ところが今回、トランプへの「ノー」が思わぬ逆転をもたらした。

マップクエストのダウンロード数は300%以上増加し、ナビゲーション部門で1位に浮上。かつてのネット地図の王者が、政治的な地名変更に従わないという選択によって、ユーザーを呼び戻したのだ。

マップクエストのゼネラルマネジャー、ダグ・バーガーは本誌に対し、名称変更を拒否するのは「簡単な決断」だったと語った。

「前回も、ダウンロードという形で私たちの判断が正しかったと多くの人が示してくれた。オンタリオ湖をめぐっては、さらに多くの人がダウンロードしている。どの地図アプリを使うかは自分で選べるのだと、何百万人もの人が気付き始めている」

「前回」とは、トランプがメキシコ湾を「アメリカ湾」に改称したときのことだ。グーグルマップなどがアメリカ向けの表記を変更するなか、マップクエストはこのときも新名称を採用しなかった。

90年代を代表する地図サービス
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