[ワシントン 29日 ロイター] - 米宇宙軍は29日、国防総省の衛星を打ち上げるため、米宇宙開発企業スペースXに総額16億ドル相当の契約を発注したと発表した。2027年までに、空中目標の探知や追尾を担う軍事衛星を搭載した「ファルコン9」ロケットの計18回の打ち上げを実施する。

契約は米宇宙軍の主要打ち上げ調達プログラムに基づく2件のタスクオーダー(個別発注)で構成される。同プログラムではスペースXのほか、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)やブルーオリジンなどの米ロケット企業が打ち上げ案件の受注を競っている。

こうした中でスペースXは今年に入って少なくとも70億ドル規模の国防総省関連契約を獲得した。トランプ政権が推進する総額約1850億ドル規模のミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」の計画策定において、イーロン・マスク氏率いる同社が大きな役割を担っている形だ。

スペースXは5月にも米宇宙軍から計65億ドル相当の衛星関連契約を受注。このうち41億6000万ドルは移動する空中目標を探知・追跡する衛星網向けで、さらに3日後にはミサイル警戒・追跡センサーと迎撃システム間でリアルタイムにデータを中継する通信衛星向けとして22億9000万ドルの契約を獲得した。

米宇宙軍の調達担当者エリック・ザリブニスキー氏は声明で、今回の契約は「前例のない2カ月間の調達スケジュール」で実施されたと説明した。宇宙軍は長年、民間企業からの宇宙機やロケットの調達を迅速化する方針を進めている。

スペースXは近年、国防総省の契約獲得で競合他社を大きく引き離している。ただ一部の米議員からは、国防総省が単一企業への依存を強め過ぎていると懸念する声も聞かれる。

一方、競合各社は課題を抱える。ボーイングとロッキード・マーチンの合弁会社であるULAは、主力ロケット「バルカン」のブースター分離装置の不具合を巡る調査が続いている。アマゾン・ドット・コム創業者ジェフ・ベゾス氏が立ち上げたブルーオリジンも、5月に「ニューグレン」ロケットが4回目の飛行を前に発射台で爆発した原因を調査中で、少なくとも年末までは打ち上げ停止となる見通しだ。

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