海外在住の人権活動家に危機感
人権活動家の間では、今回のケースのように海外に軍人を派遣してまで人権活動家などを拉致、連行する事態を目の当たりにして危機感が高まっており、「タイ当局の暗黙の了解あるいは積極的な支援が背景にはあったのでは?との指摘もでている。
タイ入管当局が素早く「ナット氏の正式なタイへの入国記録はない」と明らかにした経緯も不明であり、さらに「行方不明に関する情報収集と調査を関係機関に要請した」などというタイ側のナット氏の件に関する姿勢にも対報道機関、対人権組織向けの「ポーズに過ぎないのではないか」という厳しい見方も伝えられている。
ナット氏はダナンかハノイで監禁か
ナット氏の消息に関しては1月26日以降、一切情報が途絶しているのが現状だが、海外在住のベトナム人組織関係者は「ナット氏は行方不明直後にベトナム当局者らに連行されてタイを出国し、すでにベトナム国内に戻っている可能性が極めて高い」との見方を明らかにしている。
そのナット氏の現在の状況に関しても「治安機関本部が集中しているハノイか、あるいは居住地であるダナンの軍か警察の施設に監禁されているとみられる」としている。
共産党の一党独裁が続くベトナムでは、人権団体などによると現在200人以上の政治犯が投獄されており、21人が裁判前の拘留状態にあるという。
国際的な世論の高まりを受けて、ナット氏を「拉致、連行、拘束」したとされるベトナム当局が今度どういう姿勢や対応を明らかにするのか不明だが、27,28日に予定されるハノイでの米朝首脳会談前には一切の情報を出さず、確認もしないという状況が続くものとみられている。

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