Suban Abdulla
[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が21日発表した3─5月の平均賃金(ボーナス除く)は、前年同期比3.4%上昇した。2─4月と同水準で、2020年10月以来の低水準にとどまった。
ロイターがまとめたエコノミスト予想と一致した。イングランド銀行(英中央銀行)に対する利上げ圧力が高まる可能性は低いとアナリストはみている。
3─5月の失業率は4.9%と、5%への上昇を見込んでいたエコノミスト予想をわずかに下回った。一方、16─24歳の若年層の失業率は16.4%に上昇し、14年以来の高水準となった。
求人サイト、インディードのシニアエコノミスト、ジャック・ケネディ氏は「全体として、雇用主の慎重姿勢が根強い。企業はコスト圧力に直面し続け、先行きが不透明な環境で事業を運営しており、今はバーナム新首相の下で経済の方向性が明確になるのを待っている」と述べた。
物価への直接的な影響が大きいとして英中銀が注視する民間部門の賃金伸び率は2.9%増と、20年以来の低水準となった。
英中銀は来週の会合で政策金利を3.75%に据え置くとみられている。市場では26年末までに0.25%幅の利上げが1回、または2回行われるとの予想が織り込まれている。
KPMGのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は「労働市場の状況は依然として軟調で、民間部門の賃金上昇も鈍化が続いていることから、今日のデータは中銀が金利を据え置く根拠を強めるものだ」と指摘した。
「民間部門の賃金上昇率は現在、中銀のインフレ目標と整合する水準を下回っており、国内の賃金圧力が抑制されていることを示すさらなる証拠となっている」と述べた。
税務当局の数値に基づく別のONSデータによると、6月の給与所得者数は4000人減少した。この統計は大幅に改定されることが多く、5月の当初発表分(2000人増)は約3000人増に上方改定された。
4─6月の求人数は7000件減の71万2000件となった。労働市場が最も逼迫していた22年のピーク時の約130万件から減少した。
ONSの経済統計担当ディレクター、リズ・マキューン氏は求人数の減少について、主に中小企業が採用を抑制したためだと説明した。また、雇い主側からは、リーブス前財務相が導入した社会保障負担の増額がコストを押し上げているとの不満が出ている。