Howard Schneider

[ワシントン 6日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は6日、フォワードガイダンス(先行き指針)は状況次第で金融政策の効果を早める「有用なツール」となり得るが、硬直的に用いれば問題になる可能性もあると述べた。金融政策をどう議論すべきかを巡り、FRB内部で議論が起きていることが浮き彫りとなった。

ウォラー氏は、イタリア中銀の金融政策の波及効果に関する会議で発表予定の講演原稿で、「フォワードガイダンスは、時に政策運営を大きく強化してきた有用なツールであり、今後も引き続き有益であると私は考えている」と述べた。

金利変更が経済に影響を及ぼすには1─2年かかる可能性があるとの試算があるが、ウォラー氏によると、FRBが2021年秋に投資家に対して今後の利上げを示唆し始めたところ、市場金利が着実に上昇し始めた。この点から、「機能するときには、フォワードガイダンスは政策金利の調整だけよりも早く経済状況を変えることができる」との見解を示した。

ウォラー氏は経済学の博士号を持ち、政策判断に当たり研究成果を重視する傾向がある。

同氏の発言は、フォワードガイダンスが新たな経済動向への対応を鈍らせる可能性があると強調し、少なくとも現在の環境では使用を控えるべきだとの立場を示してきたウォーシュ議長のトーンとは対照的だ。ウォーシュ氏が議長として初めて臨んだ会合後の声明では、FRBがどのような金利調整を行い得るかへの言及が削除された。

ウォラー氏は、FRBが手の内を隠すのにも限界があり、当局者が様々な経済動向にどう対応するかを投資家に理解してもらう必要があると指摘。「反応関数が十分に定義され、十分に理解されている限り、必ずしも多くを語る必要はない。だが、反応関数が明確に定義されていないなら、話す必要がある」と述べた。ウォーシュ氏の初の記者会見後、一部の市場アナリストも同様の指摘をしている。

ただウォラー氏もウォーシュ氏と同様に、将来の政策に関する指針提示が「助けとなるどころか阻害要因となった」局面があることを認めた。

その例として同氏が挙げたのも2021年秋だ。当時FRBは利上げについて議論していたが、それ以前の指針に縛られていると感じ、実際に利上げに踏み切ったのは2022年3月になってからだった。

ウォラー氏は現状に関する自身の見解は示さなかったが、複数の異なる経済見通しやシナリオが同程度に起こり得ると見られる局面では、フォワードガイダンスが問題を引き起こしかねないとも指摘した。

ウォラー氏は「十分に柔軟でなければ、政策の波及を阻害しかねない。場合によっては、まったく使わない方がよいこともある」と述べた。

FRBの政策議論について外部に発信される情報のあり方は、ウォーシュ氏が今週にも指名する予定の五つのタスクフォース(作業部会)の一つが重点的に取り上げる分野となる。フォワードガイダンスはその一部だが、審査対象はさらに広範に及び、四半期ごとに金利見通しを公表し続けるべきか、また議長が毎回の会合後に記者会見を開き続けるべきかといった論点も含まれる見通し。

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