ミン・ジンを「不当に拘束された人物」に指定せよ
米国務省に対しては、ミン・ジンを「不当に拘束された人物」と認定するよう求める声が上がっているが、これまでのところ実現していない。
インド太平洋安全保障研究所の会長で、元国防次官補のランドール・G・シュライバーは6月、「ミン・ジンはインド太平洋安全保障研究所およびその前身であるプロジェクト2049研究所時代からの長年の友人だ」とした上で、中国はミン・ジンを直ちに釈放すべきとしつつ、アメリカもまた彼を不当に拘束された個人として指定し、釈放を求めて働きかけるべきだと述べた。
スパイ容疑については「根拠がない。ミン・ジンとISPミャンマーは、ミャンマーの統治と人権問題について独立した学術研究を行っているだけだ」と一刀両断した。
中国による逮捕は、ドナルド・トランプ米大統領が5月に北京を訪問した際、中国とアメリカの間で成立した合意を損なったとシュライバーは指摘する。「中国の行動は極めて悪質であり、この春に習近平国家主席とドナルド・トランプ大統領が合意した『戦略的安定に向けた建設的な関係』に真っ向から反するものだ」
米国務省は本誌に対し、「アメリカ人の安全と安全保障以上に優先すべき事項はない」とした上で、「国務省は、アメリカ国民の拘束について、それぞれの事案が固有の事実と事情を伴うため、個別に審査している」と述べた。さらに、アメリカの領事担当官が同氏と面会しており、「適切な領事支援をすべて提供している」と説明した。
しかし、アメリカはこれまでほとんど行動していない。「優先事項は中国との関係であり、ホワイトハウス内にはミャンマーとの再関与を望む者もいるためである」とカーランツィックは批判する。ミャンマーはクーデター以降、国際的に孤立してきたが、今年のインド訪問と中国訪問によって、その孤立は弱まりつつあった。
アナリストらは、アメリカは東南アジア全域で、中国に対して影響力の面で後れを取っていると指摘する。その中には、アメリカが防衛協定を結んでいるタイも含まれる。