Tamiyuki Kihara Yoshifumi Takemoto

[東京 6日 ロイター] - 開会中の特別国会の会期末が迫る中、会期延長は避けられないとの見方が根強い。与野党は6日、高市早苗首相が出席する党首討論や予算委員会の集中審議を開催する方針で一致した。審議が停滞していた国会の正常化が図られた形だが、政府関係者はそれでも日程的に余裕がないとし、「延長は不可避だろう」と述べた。政府は仮に延長となった場合も、来年度予算の編成作業を予定通り進める構えだ。

<「とにかく国会審議に出たくない」>

高市氏が1月の通常国会冒頭での解散総選挙に打って出たことで、2月に始まった現在の特別国会は7月17日を会期末とする。今年度当初予算が4月に成立し、もともと後半国会は「日程的に余裕がある」(参院自民党関係者)との見方が大勢だった。

それがここまでの混乱に至ったのは、与党側の国会運営などに対し野党から「強引だ」との批判が噴出したからだ。

政府・与野党から重要視される法案は現在、三つある。皇族数の確保や皇位継承のルールを定める皇室典範改正案、日本維新の会が注力する副首都関連法案、そして衆院の比例枠を45減らす定数削減法案だ。

野党が各法案の内容に疑問を呈する中、与党は副首都と定数削減について衆院での審議入りを強行した。これに対し、野党は衆参ともに国会審議に応じない方針で一致し、高市氏が出席する党首討論と予算委員会の集中審議の実施を要求。6日になってようやく、7月中の党首討論、今国会中の集中審議の実施で合意した。

ここまで調整に時間を要したことに、複数の政府関係者からは「高市氏はとにかく国会審議に出たくなかった」との声が漏れた。

<「合理的に考えれば2─3週間」>

ただ、日程に余裕はない。会期末まで2週間を切り、政府提出法案は17本が未成立の状態だ。ある政府関係者はロイターの取材に、想定する今後の流れを明かした。残る法案について、可決させるもの、参院で否決させて衆院で再可決するもの、参院に送らず継続審議とするもの、の三つに分けるというものだ。

同関係者は法案をどう振り分けるかは現時点で決まっていないとしつつ、取捨選択しても「合理的に考えれば2─3週間の延長は最低でも必要だ」と指摘。皇室典範、副首都、定数削減の3法案についても振り分けの対象だとし、「この国会ですべてを成立させるのは困難だ」とも述べた。その上で、連立を組む日本維新の会との関係もあり「どの法案をあきらめるかは難しい政治判断だ」と付け加えた。

憲法上の規定では、衆院を通過した法案が参院で採決されない場合、60日が経過すれば衆院の判断で再可決・成立が可能となる。ただし、この規定で再可決に踏み切ったのは過去3例にとどまる。前出の関係者は「参院軽視との批判が世論や自民内からも出てくるだろう。あくまで野党への脅しだ」とし、再可決は実際には想定していないとの見方も示した。

<「首相は遅延を絶対に許さない」>

仮に国会会期が延長となった場合、来年度予算の編成作業への影響はあるのか。複数の政府関係者は「影響は考えにくい」と口をそろえた。

そもそも現在開かれている特別国会は例年の通常国会より1カ月ほど後に始まった。例年通り6月半ばに国会が閉会すれば、政府は来年度予算編成に向けた政権方針の確定や、各省庁から財務省への概算要求基準の決定、取りまとめなどの作業に集中することになる。

一方で、国会が開いた状態であっても各省庁の予算関連作業が完全に止まるわけではない。経済官庁幹部は「国会対応と予算関連の作業を同時にやらなければならない負担はある」としつつ、「8月末までとしている概算要求の期限は変更することはない」と語った。

高市氏には、4月に成立した今年度予算について年度内成立に最後までこだわった「実績」がある。政府関係者は「自分のせいで予算編成が遅れたと言われるから、高市氏は作業の遅延を絶対に許さないだろう」と述べた。「悪い影響があるとすれば、役人の夏休みがなくなるくらいだ」

(鬼原民幸、竹本能文 編集:橋本浩)

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